【完】とわの風、青空の君。
キュウちゃんのゴツゴツした手が私の背中を優しく包みこむ。


「あーあ・・・アメリカにも風子の風が吹いてくれればいいのにな」


キュウちゃんが私の耳元で呟いた。

甘く切ないキュウちゃんの声に、私の胸はキュンと音を鳴らす。



ああ・・・私、キュウちゃんが大好きだ。



私はキュウちゃんからそっと体を離すと、自分の制服についていたスカーフをシュルリと外した。


「キュウちゃん、これ。私のスカーフあげる。キュウちゃんがホームラン打ったとき、これが風に舞ったの」


私はキュウちゃんの手をそっと包み込むようにして、スカーフを渡した。


「願掛けみたいなもん?」


キュウちゃんが私を見つめて優しく笑った。


「これが風に舞ったら、キュウちゃんがホームラン打てる気がする」


「うん・・・ありがとう風子」


私達は強く、強くお互いの手を握りしめた。

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