【完】とわの風、青空の君。
りんと別れ、空にカメラを向ける。


「キュウちゃんもこの青い空、見てるのかな?」


一本に結わえた髪がブワリと舞い上がる。


「え!?」


その時、カメラ越しに覗いていた空が急に真っ暗になった。

私は慌ててカメラを顔から離した。


カメラにビラビラと布のようなものがまとわりついていた。



見覚えがある・・・・・・。



「スカーフ・・・・・・」


「あ、すいません!それ、俺のです!」


私の元へ一人の男性が駆けてきた。


「おおい、久(ひさし)!あったか?」


「おお、あったあった!」


男性は振り向き、後ろから追いかける男性に手を振ると、私に向かって優しく微笑んだ。


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