眠る心
倒れる寸前に柊雨の事を
思い出していた事を
繭子に伝え手を握る。

「そうだよね

 ありがとう」

そして、利奈は病室を後にする

深呼吸をして病室に戻る繭子は
心配そうにみつめる。
  
柊雨の為にも、凪子の記憶が
戻ってくれることを願った。
  
司もまた、同じ思いでいた。

その時、凪子が目覚める。

「なぎちゃん、具合はどう?
 頭痛は治まったかな」

「まだ少し痛みますが
 大丈夫です」

柊雨も、ほっと安心して
司と顔を合わせる。
  
凪子は、柊雨と司に
他人行儀に迷惑をかけて
しまったことを謝る。
  
やはり、凪子の記憶は
戻っていないことを
知る四人だった。
  
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