眠る心
柊雨から一秒と目を離す事が
できなくなって
  
その存在が小さな胸を
締め付けて

胸が苦しくなった思いを。

「私はシュウさんに会って
 初めて人を好きになる事を
 知りました

 でも、それ以上のことは
 思い出せなくて・・・

 その感情は
 ただ憧れている人に向けての
 思いだけのようにしか
 今の私には思えなくて
 ごめんなさい」

繭子は、その思いが後に
愛に変わっていったことを
凪子に一生懸命に聞かせて
くれていたが
   
柊雨は、繭子の肩に手を置いて
『もういいのだ』という意味で
首を左右に振る。
 
時は遡る・・・
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