眠る心
凪子の傍に近寄り、その姿を
じっと見つめている紫季は
声をかける事ができずにいた。
  
私は、紫季先生の存在に
全く気づかず柊雨さんだけを
見つめていた。
  
そして強い目線を感じ
紫季先生の存在に気づき

私は、動揺する。
 
「びっくりしたぁ
 しき先生
 いつから、そこに」

貴方の手が優しく

風に靡く

私の髪に触れる。

「綺麗な、なぎちゃんの横顔に
 つい魅とれてしまって
 声をかけるのを忘れていたよ 
 退院、おめでとう」

「ありがとう」

紫季は、私を抱き寄せる。

紫季に抱きしめられていると
こんなにも心が穏やかになる

柊雨さんに抱き寄せられた時
とは違う・・・
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