眠る心
「なぎちゃん・・・」

「しき
 気を付けて帰ってね」

窓を覗き込み、手を振る私。

「お休み

 また、連絡する」

走り去る車を見送りながら
私は、逸る胸を抑えた。

確かに、思い出した

あの冷たい手は

柊雨さんの手で

あの瞳は、彼の瞳だった。
 
私と紫季・・・

二人は、付き合ってはいたが
今も健全な関係を続けていた。

紫季と一つになりたい想いは
私の中に確かにある。

だけど、一歩を踏み出せない
私がいる・・・
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