眠る心
順を追って、話して聞かせて
くれても

今の私・・・何も感じない。
 
繭ちゃんの声は私には届かない
  
そして

彼は、ここには居ない・・・

楽屋でメンバー達と
ライブ開演時間を待つ柊雨は
ライブ前の緊張感の張りつめた
静寂の中に居た。
 
舞台メイクをして衣装を
身にまとった柊雨は
目を閉じ、手を組み
凪子の事だけを考えている。
 
ドアをノックする音が響く。
 
「開演時間です

 よろしくお願いします」
 
メンバーが楽屋から出て行く。
 
最後に柊雨の後姿が楽屋を出て

ドアは強い音をたてて閉まる。
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