眠る心
病室のベッドで眠る凪子の元へ
白衣を着た男性が近寄る。
 
彼は、眠っている凪子の顔を
覗き込み、じっと見つめる。
 
人の気配を感じ、目を覚ます
私の方を見つめて彼は囁いた。

「ごめん
 起こしてしまったようだね」

その白衣を着た男性は
どことなく柊雨に面影、雰囲気
が似ていた。
 
私の手首の脈拍を測りながら
私の名前を呼ぶ。

「はじめまして
 
 清野 凪子(せいのなぎこ)
 さん」
 
「は、はじめまして」

カルテを開く細く長い指

何度と、こちらを見つめる
真っ直ぐな瞳
 
話しかけくれる優しい声に

私の胸は緊張しつつも
ドキドキと

ときめいていた。
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