眠る心
その朝

凪子は、柊雨に

別れを告げる。

「しゅうちゃんと、しき
 
 二人のどちらも

 私は選べない」

選んではいけない・・・

凪子がそう切り出すのを
柊雨は分かっていた。

柊雨の冷たい手が

凪子の頬に触れる。

二人は、歩み寄り

最後の口づけを交わし
  
今度こそ

本当に別れた。
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