眠る心

愛してる†凪子

私の部屋のクローゼットの中に
今も眠るウェディングドレス。

着る事の無い、大切なドレス。

もう、戻る事のできない

あの日を思い出す・・・

二人で夕食を済ませて
夜の街をドライブしている。
 
休日の街中、渋滞に
車の流れが止まる。

「しゅうちゃん、見て」

私が指差した
ショーウィンドウに

純白のウェディングドレスが
飾られている。

「あの一番端のドレス
 素敵」

「今度、一緒に見に来よう
 そうだ、指輪もいるね」

私の頬は、きっと
赤く染まっているはず・・・

二人を乗せた車は
夜の街を駆け抜けて

お気に入りの夜景の見える
場所で停車する。

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