眠る心
凪子は、柊雨にキツく握られた
手の痛みと同時に、目の前の
憧れている人の存在に

胸が苦しくなり、一瞬だけ
気が遠くなる。

それは貧血にも似た症状。
  
柊雨は、その掴んだ手を
自分の方へ強く引き
倒れそうな凪子を抱きしめた。

「もう、大丈夫です」

「もう少しこのままでいて
 
 お願い」

柊雨に抱きしめられて
凪子は心から幸せな気持ちで
いっぱいになる。
  
その後は言うまでもなく
柊雨の彼女が店から出て来て
そこは修羅場になる。
  
『気分の悪くなった私を
 彼は支えてくれただけだ』

凪子は一生懸命に話すが
全く彼女には通じる事はなく

彼女は柊雨ではなく凪子に
酷い罵声を浴びせて来た。
  
その行き過ぎた言動に
柊雨は、凪子をかばう。
< 69 / 236 >

この作品をシェア

pagetop