甘い声で囁いて


美弥さんのご両親だから何も言いたくないんだけど。


ちょっとお兄ちゃんの事、悪く言い過ぎじゃない?



「大体、美弥も何を考えているんだか、こんな年下に騙されて」


チラッとお母さんの事を見るけど、何も言わずにあたし達を見つめている。



「聞いたところによると両親は海外で暮らしているそうじゃないか」


「はい」


「こんな娘を残していくお前の両親は一体何を考えているのか」


「すみません」



どうして?


お兄ちゃんさっきから怒ってばかりで



何も言い返さない。


加宮さんに助けを求めても何をするわけでもなくただ会話を聞いてるだけ。


「大体なお前みたいなひ弱そうなヤツに美弥は...」


延々と続く説教。


これに耐えろっていうの?


何も言えない?


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