しゃぼん玉

あたしの味方

幼稚園に通うようになって知ったことは まーくんが 人気者だということ。
たくさんの女の子に 追いかけられる日々。大変そうだった。

私は まーくんとは違い人気がナイというより誰も見向きもしなかった。
みんなに私が見えていないような存在で いつも部屋の中にいた。
暗い、無口じゃ誰も寄って来るはずもなかった。

でも 誰にも危害を加えていない私のはずなのに いつの間にか
冷たい視線を感じるようになった。そしてエスカレートしていった。
靴がない・・・物を隠される・・・つねられる・・・たたかれる・・・
でも私には そんなこと辛くなかった。
母親に されたことに比べたら痛くも痒くもなかったのだ。

そんな私が面白くないのか「泣け」コールが始まった。
「なぁけ なぁけ なぁけ・・・」
そんなことを言われても泣けない私・・・
「どいて!!!」
囲まれた私の前に 現れたのは まーくんだった。
「サチを いじめる子は大キライ」
大きな声で そう言ってくれた。

私と まーくんは学園から一緒に幼稚園に来るから
どうやら それが気に入らなかったらしい。

思いのまま行動する子供は時に残酷なもんだ。
でも まぁ耐えれる私が対象で良かった。

あの時は言えなかったけど
まーくん ありがとう・・・今も忘れてないよ。
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