しゃぼん玉
菊の花(後編)
一人の看護婦が切り出した。
「この子の母親、見舞いに来たけど すぐに帰されたらしいわよ。
朝から酒臭いし持って来た花が菊だったらしいのよ」
そのあと どんな会話だったのかなんて覚えていない。
子供は単純で純粋なもんだ。
“見舞いに来てくれた”そこだけを くりぬいて単純に喜び、
ママは私が大事なんだと純粋に信じた。
それだけが唯一の嬉しい出来事だった。
「菊の花は どうして植えないの?」
先生に聞いてみた。
その時の私の表情は少し嬉しそうだったに違いない。
それでも大人は残酷なものだ。
「菊の花は天国に行った人に あげる花だから ここには植えないの」
言葉が出なかった。
ママは私に いなくなってほしかったんだ・・・そう思った。
「この子の母親、見舞いに来たけど すぐに帰されたらしいわよ。
朝から酒臭いし持って来た花が菊だったらしいのよ」
そのあと どんな会話だったのかなんて覚えていない。
子供は単純で純粋なもんだ。
“見舞いに来てくれた”そこだけを くりぬいて単純に喜び、
ママは私が大事なんだと純粋に信じた。
それだけが唯一の嬉しい出来事だった。
「菊の花は どうして植えないの?」
先生に聞いてみた。
その時の私の表情は少し嬉しそうだったに違いない。
それでも大人は残酷なものだ。
「菊の花は天国に行った人に あげる花だから ここには植えないの」
言葉が出なかった。
ママは私に いなくなってほしかったんだ・・・そう思った。