オレンジ色の涙
「あっ!!新花先輩!」


慌てる長谷川君の声。


いきなり体に衝撃が・・・と思ったのも束の間、天井が視界に入る。


うわっ!!


あたし、倒れる!!


ぎゅっと目を瞑る。


けど、一向に倒れない。


「衣千佳、やりすぎ。新花を気絶させるきか。コノヤロウ。」


「ごめんごめん!!やりすぎちゃった!!」


そんな会話が聞こえて目を開けると、目の前にはいっちゃん。


上を向くと、サクがいた。


どうやら、いっちゃんがいきなり抱きついてきたところ、あまりの衝撃で体が傾き倒れそうになったのを、サクが受け止めてくれたみたい。

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