オレンジ色の涙
長谷川君の言っていることが本当になりそうで無言でコクコクと頷いた。


そんなあたしに、長谷川君は苦笑いを浮かべ、体育館のドアを開けた。


その瞬間聞こえてくる音。


シューズの擦れる音、


ボールの跳ねる音、


部員の声。


あの、静寂した空間も好きだけど、この空間も好きだなぁ。


一人じゃないよって言ってくれてるみたいで。


ボーっとその場に突っ立っていると、シューズの音やボールの音を背景に長谷川君の声が聞こえた


「新花先輩?どうかしたんですか?」


まるで、特別な人の声みたいに心に響いてくる。


「ううん、なんでも――――・・・っえっ!?」



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