洒落にならない怖い話
隣の座席に座ってた女の人が、俺の頬をベロベロ舐めてた。
(舐めるというより舌を這わすといった方が正しいかもしれない)
目にした最初の光景が、ドアップの顔なんだから驚いたのなんの。
でも何が起きてるのかわからなくて、悲鳴もあげられない。
「ひ」とか「い」とか、そんな事しか呟けなかった。
女の顔なんて覚えてない。
何度もまばたきしながらこっち見てる『目』しか覚えてないんだ。
どれだけの時間、その女がそうしてたかなんて今も考えたくない。
けれど、さすがに変な気配を感じたんだろうな。
親父が眼を覚ましてくれた。
「おいっ!何してんだテメェッ!」と、これまで俺が聞いたこともないデカイ声で親父が叫んだかと思うと、女の横腹に蹴りを一発。
その一撃で、ようやく俺の顔から女が離れた。
母親も妹も、ここで目を覚ましたらしい。
すかさず親父が女を組み伏せる。
田舎の在来線とはいえ、俺達以外にも客はいる。
何事かと集まりだした。
俺は親父の声に驚いて泣き出して(正直、親父の怒声の方が怖かったかもしれん)
(舐めるというより舌を這わすといった方が正しいかもしれない)
目にした最初の光景が、ドアップの顔なんだから驚いたのなんの。
でも何が起きてるのかわからなくて、悲鳴もあげられない。
「ひ」とか「い」とか、そんな事しか呟けなかった。
女の顔なんて覚えてない。
何度もまばたきしながらこっち見てる『目』しか覚えてないんだ。
どれだけの時間、その女がそうしてたかなんて今も考えたくない。
けれど、さすがに変な気配を感じたんだろうな。
親父が眼を覚ましてくれた。
「おいっ!何してんだテメェッ!」と、これまで俺が聞いたこともないデカイ声で親父が叫んだかと思うと、女の横腹に蹴りを一発。
その一撃で、ようやく俺の顔から女が離れた。
母親も妹も、ここで目を覚ましたらしい。
すかさず親父が女を組み伏せる。
田舎の在来線とはいえ、俺達以外にも客はいる。
何事かと集まりだした。
俺は親父の声に驚いて泣き出して(正直、親父の怒声の方が怖かったかもしれん)