洒落にならない怖い話
信者
オカルトではないですが、一応「死ぬほど」と「洒落にならない」に合致する経験談です。


高校3年のある日、学校の休憩時間。


「お前らに尾崎豊の気持ちがわかるのかよ!」


教室で突然、叫び声が響いた。


「何にも知らないクセに、お前らなんかに尾崎のなにが分かるってんだよ!!」


声の主はA。


彼は尾崎豊の熱狂的なファンであった。


どうやら周りにいるB、C、Dが尾崎豊の歌や歌詞なんかを茶化したらしい。


普段大人しく、無愛想でもあるAがこの時ばかりは顔を真っ赤にして怒っていた。


そして、Aは3人を見下すように見つめながら吐き捨てるように行った。


「尾崎のことが分からないなんて、お前ら可哀相なヤツらだな・・・」


Aと私は同級生でクラスも一緒であったが、ほとんど口をきいたことがなかった。


ただ、彼が尾崎豊の熱心なファンであることは、人づてに聞いて知っていた。


ほとんど友人がおらず、いつも教室の自分の席で一人佇み、ウォークマンで音楽(たぶん尾崎豊だろう)を聞いていたり、何か本を読んでいたそんなヤツだった。
< 28 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop