洒落にならない怖い話
尾崎豊が死亡したとき、オ○ムは早速“アメリカの陰謀”説を唱え「尾崎の死について考える」などのセミナーを開いたりした。


こうした経緯で入信していった尾崎豊のファンも少なくなかったという。


そして遂に事件はおこる。


地下鉄サリン事件が起きたとき、私は日比谷線に乗って被害に遭った。


・・・かつて教団総選挙に打って出て、そこで供託金没収レベルの記録的大敗を喫した。


奇妙なパフォーマンスや言動で世間の笑いものになったのだ。


彼らは現実を前に、挫折したのだ。


彼らは自分を正しいと信じ疑わずその正しさを皆にわかってもらおうとしたのかもしれない。


尾崎ファンから流れた若い信者層はもしかしたら本気でそう思っていたのかも知れない。


ちょうど高校時代、AがEに自分のありのままをストレートのぶつければ通じると無邪気に考えていたように。


相手の気持ちも理解しようとせず独りよがりのキレイゴトを強引に押し通そうとしても無理に決まっている。


多くの場合、相手には拒絶される


しかし、彼らは自分を受け入れない世間の方が悪いと考えたようだ


現実社会を否定し拒絶した先にあったものは・・・


現在、地元にはAの家は存在しない。


既に引っ越してしまったようだ。


Aは今、なにをしているのだろうか?


夢は醒めたのだろうか?
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