洒落にならない怖い話
ここまでは別に怖い話ではなく「変な体験」で済むのですが・・・


今でも夢に出てくるような体験をしたんです。


恐ろしくて、本当に忘れてしまいたいです。


が、まったく薄れてくれません。


小学生になって何度かの夏休み。


私は、家の近くの松林に遊びに来ていました。


そうも広くないはずですが、随分歩いた気がします。


そのうち、小さな家が見えてきました。


木製で二間もなさそうな、小さな家ですが、物置や掘っ立て小屋のような印象もなく、清潔で人が住んでいることを感じさせます。


戸口の前にはプランターが置いてあり、そこからはアサガオが生えていました。


私は、そのアサガオを巻きつけてある黒いポールが気になって、近寄ってしげしげと眺めていました。


そこで「なにしとるの!」という声を掛けられ、振り向いたらお婆さんが立っていました。


一見するとどこにでもいる、ちょっと背が曲がったお婆さんなんだけど、目がとにかくおかしい。


見開いて、異様に大きい目が瞬きもしない。
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