洒落にならない怖い話
そして、その直後に電車が走ってきて少し不気味だった事を友人(悪友では無い方)に話した。


と・・・


その途端に友人の顔色が変わり


「おい、お前・・・その胆試しをしたのは何時の話だ?」と聞いてきたのだ。


俺は急に顔色を替えた友人Bに首を傾げつつ「え?数日前の話だぜ?」と答えた。


「嘘だろ?・・・それは有り得ない話だぞ!?あそこはとっくの昔に廃線になって、線路すら残っていないのだぞ!?」



少し鉄の入った友人Bの話だと、その踏み切りのあるローカル線は数年前に廃止となり、その踏み切りも線路も全て撤去されてされており、何も残っていないと言うのだ。


俺は友人Bの話を黙って聞くしか出来なかった・・・


あの日、俺と友人Aが見たあの踏み切りと電車は一体何だったのだろうか?


そしてその電車に乗っている乗客は一体何処へと向かっていたのだろうか?


・・・それは誰にも分からない。


知るのはその車内の乗客だけなのだろう・・・


その時以来、俺は真夜中の踏み切りで電車が通るのを待つのが嫌になった。


夜の闇の中から、あの時見た電車が来ると思うと背筋が寒くなるのだ。


何故かと言うと・・・


あの時の電車の乗客は皆、生気の無い目でこちらを見ていたのだから。
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