洒落にならない怖い話
私の不思議がってる顔をみた祖父が説明を付け加えてくれた。


「この子は私の娘で○○(私の名前)のお父さんの双子の妹だよ。首の裏に二人ともに大きなホクロがあるんだ」


そういって祖父はまたワハハと笑った。


その後、父親に確認したところカナという妹がいたことは間違いないらしい。


病気でまだ10歳も行かないうちに病気で亡くなったそうだ。


父に恐る恐る首のホクロについて聞くと「ああ、そういやあったなでも双子だから当たり前だろ」と言われた。


それはそうだ。


双子なら同じ位置にホクロがあるのは不思議ではない。


ただ、私は祖父の話を聞いたためか、どうも気味が悪い。


夜中に、懐中電灯を持って祖父の言っていた塚にやってきた。


そこには大夫風雨に晒された大きな丸い石が置いてあった。


そして電灯で照らしてみると、そこに二人分の名前が彫ってある。


ハッキリとは読み取れないが、そこには私の父の「政次」という名と、父の死んだ妹の「カナ」が刻んであった。


結局、怖くて父にも祖父にもこれ以上この話はしていない。


今でも盆に帰ると、私はふらっと何かに誘われるようにこの塚に来て手を合わせている。
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