ク ロ
後片付けを終え、ソファーで本を広げていると、足に柔らかいものがあたった。

さっきまでヒーターのそばで長くなっていたクロが、いつの間にか私の足元ににじり寄っていた。

そのまま、おしりのあたりに足を乗せてみる。

無反応。

軽くグリグリしてみる。

クロは私をあやすように、尻尾をパタンパタンと二度振った。

足の裏の感触は柔らかく温かく、トトロの猫バスを思い出させた。

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