ハフピスライン
カオスワルド
「作戦失敗して逃げて帰って来たんだってな。このクズは」
「しかもあの黄金獅子を前に戦わずに帰ってくるなど臆病の他ない」

魔王の街にして魔物の世界、カオスワルド。魔王の城にはトロワポテゥ―全員が集められたいた。

会議室。十字の席の左右にジョーカーとヘルバーンがうるさく言ってくる。目の前の顔を隠している魔王は黙っていた。
私はいまだに魔王の顔を見たことがない。

「戦う必要はない。そうゆう作戦じゃないからな」
「そんなものはいい訳だろ? さっきも言ったが黄金獅子がいたんだ。殺すチャンスだろうが」
「村人どもを一匹も連れてこれないし、何が作戦だ。行った意味がない。こっちは兵を出してんだよ。無駄死にだろうが」

私が一言返せば左右からステレオで帰ってくる。騒がしいったらありゃしないわ。

「どうせ獣型など駒にしかならないだろうが」

私はわざと聞こえるように小声で言う。

「ふざけんな!」

もちろんヘルバーンはキレる。こいつは単純だから分かりやすい。問題なのはジョーカーの方。こいつは何を考えているか分からない。

唯一分かるのが魔王のために生きているという点だけ。
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