千夜を越えて
「患者?どこも悪くないし。」
意味わかんない。
「は?間者だよ。長州からの回し者かって聞ーてんだよ。」
「回し者…あぁ、スパイね。ってか違うし。迷子って言ってんじゃん。」
あぁーうっざ。
何回言わせんだよ。
「では何故あの刻限に外をうろついてたんだ。」
「そっ、それは、用があって。」
「何の用だ。」
-プッチン
「何だってあんたには関係ないでしょ!プライバシーの侵害で訴えるよ!」
「ぷらいばしい?
てめぇ、変な言葉を使いやがって。怪し過ぎる。
早く吐かねーと痛い目見るぜ。」
そう言って、格子の中に入って来た土方は、咲夜の腕を掴み、引き上げた。
「ちょっ…何?!」
「こい。嫌というほど吐かせてやる。」
咲夜は、腕を引かれたまま別の蔵に連れて行かれた。