千夜を越えて
「みんな、顔色悪いですよ?大丈夫ですか?」
ご飯を必死に口の中へほうり込む隊士達を見て、あたしは不安になっていた。
ふと、端の方からこんな声が聞こえた。
「なぁ。相当やばいよな、これ。」
「あぁ。顔があれだけ似てんのに、料理の腕は全然違うよな。」
「千夜さんの飯は日本一だもんな。また食いてー。」
やっぱり、このご飯のせいなのか。
それと、さっきも原田さん達が言ってた"千夜"って人。
一体誰なのだろうか。
「あのっ…無理して食べなくて良いですよ。これでお腹壊されても困るし…」
みんながあたしの方を向く。
「あたし、料理とか全然、全くやらないんです。
だから、おいしくないなら大丈夫です。」
あたしは、なるべく笑顔を作った。