千夜を越えて




隊士達が箸を置く中、一人、食べ続ける人がいた。









「土方さん、良いですよ。」








「良い、だと?今にも泣きそうな顔しながら、何言ってやがる。」








えっ?あたし、泣きそうなの?









そういえば、さっきから視界がぼやけてる。






「あ、あれ?何だろ、これ…勝手に…」






あたしがぽろぽろ泣き出すものだから、隊士達はしどろもどろになっている。





「だ、大丈夫です。ちょっと目にごみが入ったみたい…顔洗って来ます。」








そう言って、あたしはその場から立ち去った。



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