幼なじみは年の差7歳【完全版】
――……。
そして、3月。
冬馬さんは僅かな荷物を車に積み込んでいく。
…別れてしまう冬馬さんと美和ちゃん。
最後は二人にしてあげよう。
麻実もそう思っていたのか、冬馬さんと少し話した後に俺の隣に来た。
「俺たち先に帰るね。じゃあ、元気で」
「ん、良明くんと麻実も元気で」
少し寂しそうな顔をした冬馬さんに手を振って、歩き出す。
……。
「良明」
「ん?」
少ししたところにある公園。そこのベンチに促され、麻実を見た。
「やっぱり寂しいね」
ベンチに座った麻実は今にも泣き出しそうな顔。
どう言葉をかければいいかわからなくて、ただ頭を撫でた。
「…冬馬さん、4、5年は帰らないって言ってたよね」
「だな。その時俺たちは21歳?22歳か?
で、冬馬さんはその7つ上」
その頃、俺たちは何をして過ごしているだろう?
…今と同じように、麻実や美和ちゃんと一緒に居ることが出来てるかな?
「色々、変わっちゃうね。
ずっと変わらずに過ごしていけたら良いのにね」
寂しそうな笑顔で言い、麻実は立ち上がる。
「色々、頑張ろうね」
「ん」
高校を卒業したら、麻実と今のようには過ごせないかもしれない。
だけど、進むしかない。
「俺、頑張るよ」
会える時間が減ったとしても、俺は多分、ずっと…麻実が好きだから。
「俺がお前を幸せにする」
いつか、きっと。
「それってプロポーズ?」
「…いや、戯れ言」
「…うわぁ、ヤな奴だねーちょっと期待したのに」
でも、と言葉を続ける麻実は照れたように笑う。
「でも、ちょっと嬉しかった」
「…“今度”はもっとちゃんと言う。
だから覚悟しとけ」
嬉しそうに笑う麻実が、大きく「うん」と頷いた。
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