幼なじみは年の差7歳【完全版】
「ごめん、こんなこと言っても仕方ないよね」
ふ、と笑顔を見せた冬馬さんが俺の肩に手を置いて、耳元で言う。
「で、良明くんは麻実と結婚するの?」
「へっ…あ、いや…」
突然の言葉に心臓がドキリと鳴る。
結婚なんて…考えたこと無かったよ…。
「…そりゃあ、あいつのことは好きだけど…まだ17っすよ?」
「でも法律的には18で結婚出来るだろ?」
「まぁ、そうですけど…」
この人、自分は結婚してないくせに何言ってんだ。
「まぁ、いつか出来れば…」
「ねぇ!なんの話をしてるの?」
「いぅおっ!?」
遠くに居たはずの麻実が、目の前で首を傾げてる。
いつの間に来てたんだ…。
「何変な声出してんのよ…」
「なんでもねーよ!つーか突然声かける奴が居るか!」
麻実は呆れ顔。そして隣に居る冬馬さんは笑いを堪えるようにしながら下を向いている。
「…とにかく、なんでもないから。
冬馬さんと話してるんだからお前はどっか行け」
「…はいはい、邪魔してごめんなさいね。
これ、美和のお母さんから」
皿に乗った料理を冬馬さんに渡し、麻実は元の位置へと戻った。
「ヤバい、腹筋崩壊する」
「…冬馬さん。麻実が来るの気付いてて言ったでしょ?」
「ごめんごめん。
しかし面白いものが見れた」
…年上だけど、殴っちゃろうか。
「…こんな日じゃなきゃ確実に殴ってる」
「そう怒るなって。
俺は、麻実と良明くんが幸せになってくれたら嬉しいんだよ」
笑顔の冬馬さんが受け取った料理を俺に差し出す。
そんな顔を見ると、怒ってるのが馬鹿らしくなってしまう。
「…麻実とのことは、いつかちゃんと報告します」
「ん、良い報告を期待してる」
良い報告…つまり、結婚。
今まで結婚なんて意識してなかったけど、その日から、麻実を見る目が少し変わった。
「…尻に敷かれるのが目に見えてる」
そう言った俺に、冬馬さんはまた笑いを堪えるように下を向いた。