幼なじみは年の差7歳【完全版】
「…バカ」
私の顔、多分真っ赤…。
それを見て冬馬兄ちゃんは笑ってる。
「少し抜けようか」
立ち上がり、私の手を引いて歩き出す。
誰も何も言わず話に夢中だ。
もしくは、私たちに気を利かせてくれたのかもしれない。
家の外、少しひんやりとした風が心地良い。
「飲み過ぎた」
その場に座り、空を仰ぐ冬馬兄ちゃん。
その隣に座って、私も空を仰いだ。
「親父、今度アメリカの本社に行くって。
さやかさんたちも一緒に行くらしい」
「そっか。それじゃあしばらく会えないね」
さやかさんたちとせっかく打ち解けてきたのに、少し残念。
それぞれの生活があるから仕方ないけれど。
「…美和、子供作ろう」
「へっ?」
急に真剣な声で言う冬馬兄ちゃん。戸惑いが隠せない。
「圭太郎見てたら欲しくなった。
今すぐ作ろう」
「い、今すぐって…」
…冬馬兄ちゃん、確実に酔っ払ってる。
「ダメ?」
「う…そんな子犬みたいな顔してもダメ」
「ケチ」
「ケチとかそういう問題じゃないでしょ」
ふてくされた顔をするけれど…さすがにこれは了解するわけにはいかない。
「じゃあみんなが帰ったら作ろう」
言い終わる前に、冬馬兄ちゃんは私の唇にキスをした。