幼なじみは年の差7歳【完全版】
舌を絡ませてくる甘いキス…これをされると、何も言えなくなってしまう…。
「ズルい…ダメ…」
「ズルくないし、ダメじゃない」
唯一出せた言葉でさえも、甘い空間に溶けていく。
「愛してる」
私の体、心も全て…冬馬兄ちゃんに奪われていく。
…
……
………。
…冬馬兄ちゃんが首筋に舌を這わせた時、ポケットに入れてた携帯が鳴った。
「…タイミング良いのか悪いのか。
まぁ、こんなとこで最後までするつもりはハナから無かったけどね」
少し残念そうにしながらも私から離れる。
解放された私…体がふわふわしていて、上手く立てない…。
だけどなんとか立ち上がり、携帯を取り出して中を確認する。
【 そろそろみんな帰るよー。 】
麻実ちゃんからのメール、それを見ている間に冬馬兄ちゃんは先に戻ってしまった。
なんだか凄く切ない…と同時に、メールが来てホッとした。
やっぱり外でなんて…最後までするつもりが無くても、したくない。
「…深呼吸、深呼吸」
何事も無かったかのように、私も部屋へと戻る。
私たちが外で何をしていたかなんて誰も気付いていなくて、部屋の掃除を個々にしている。
私もみんなと同じように掃除を始め、冬馬兄ちゃんを見たけれど…良明くんと笑っているだけだった。