幼なじみは年の差7歳【完全版】


(…夢、なわけないよね)


そう思ってしまうくらい、冬馬兄ちゃんは何事も無かったかのようにそこに居る。




お義父さんたちが先に家を出、それから私の両親も帰宅。
最後に麻実ちゃんと良明くんが玄関に立った。


「じゃあ美和、またね」

「今日はありがとね、おやすみ」


次はいつ会えるだろう?そんなことを考えながら手を振り、ドアを閉めた。

…瞬間、足が地面から離れる。


「ふあっ!?」


冬馬兄ちゃんが、私を抱っこしてる…あの有名な…お姫様抱っこ…。


「ちょ、ちょっと…!」


ロマンチックなはずなのに、頭の中は違った。


「私、重いから!」


…そればっかりが頭にあった。
冬馬兄ちゃんの体が潰れちゃう。そんな恐怖を感じていた。


「どんだけひ弱だと思ってんだよ」


呆れたように笑い、そして寝室に到着する。


「さっきの続き、ここでならしてもいい?」


ベッドに座らされ、冬馬兄ちゃんが目線を同じ高さにして微笑んだ。

…ノーなんて言えないと知っていながら聞く冬馬兄ちゃんは、意地悪だ。


「バカ」


小さく言ったのを合図に、冬馬兄ちゃんはそっと優しいキスをした。
…一つ一つ確かめるような、優しいキス…。


「美和に触れてると凄く安心する」


あっさり脱がされた私に寄り添いながら、自分の服も脱いでいく冬馬兄ちゃん。
肌と肌が触れ合い、ぬくもりを直に感じる。

温かくて、落ち着く冬馬兄ちゃんの体。
抱き合ってるだけでも、凄く気持ち良い…。


「美和、もっと近くに来て」


優しいキスが私を包み込む…。


――……。




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