依存~愛しいキミの手~
テーブルの上に空いたお皿が4つ並ぶ。


それを当たり前のように重ね、テーブルの通路側に置く優。


灰と吸い殻の溜まった灰皿もお皿の隣に置き、さっとお絞りで飛び散った灰を拭いた後、新しい灰皿をテーブルの真ん中に置いた。


「デザート食う?」


優の手際の良い手元を見ていた時、圭介がタバコをくわえながらメニューを見せてくれた。


タメの男とは違う…。


優も圭介も、さり気ない気使いを当たり前のようにする。


中学生と高校生って、こんなに違う物なんだ…。


「私チョコパ食べよっと」


隣に座る美香が、私に体を近寄せ覗き込むようにメニューを見た後に言った。


「じゃあ私は…」


人差し指をメニューの上で左右に動かす。


「「これ」」


私がいちごパフェを指差すのと同時に、圭介の指も同じ写真を指差した。


圭介と私の指先が、メニューの上でかすかに触れる。

たったそれだけのことなのに、鼓動が早くなるのが自分でも分かった。
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