依存~愛しいキミの手~
「3人とも渋谷よく来るの?」


早くなる鼓動を隠すように、冷静な振りをして聞いた。


「私は学校ほとんど行かないで、たいてい渋谷で遊んでるよ」


タバコに火をつけ、煙りを吐き出す美香。


「俺らも何だかんだよく来てるよな?」


優が新しいタバコの箱を開け、フィルムのゴミを小さく丸めた後ライターであぶりトントンと叩く。


「2人同じ学校なの?」


今の優の言葉だと、ほとんど圭介と一緒に行動をしているように感じた。


「俺ら学校行ってねーよ。優は去年の冬に中退して、俺は元々行かなかったの。優とはバイト先で知り合ったんだ。ちなみに美香は俺の中学の後輩」


圭介が灰皿に灰を落としながら言った。


「え!?圭介真面目そうなのに意外!」


私がそう言うと、美香と優が吹き出した。


「あははっ、真面目かぁ。確かに真面目に見えるかも(笑)」


美香が圭介の顔を見ながら笑う。


「こいつ、つい最近までガングロで白髪のギャル男だったんだよ(笑)」


テーブルに肘を立て、親指で圭介を指差しながら優も笑った。


え…、ガングロで白髪…。


今の圭介の姿から全く想像がつかなくて、目と口を開いたまま固まってしまった。


「日サロ行かなくなったら、こんな白くなった(笑)」


圭介が自分の腕を見て無邪気な笑顔を見せた。
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