依存~愛しいキミの手~
ハチ公口から少し歩いたパスタのお店に入った。


どれにしようかな?


メニューをざっと見た後、1番好きなパスタに決めた。


メニューを向かいに座る圭介と優に差し出すと、


「あすかはカルボナーラだろ?」


圭介がそう得意気な笑みを浮かべて言った。


「何で分かるの!?」


目を大きく開き驚く私。


「圭介の特技だよ。初対面の人の好み当てるの得意で、私も最初ビックリした!勘がいいって言うより、エスパーみたいだよね(笑)」


綺麗にネイルしてある指を、お絞りで拭きながら美香が教えてくれた。


「羨ましい特技だよな(笑)」


優がメニューに視線を落とし八重歯をのぞかせながら笑った。


そんな特技聞いたこともないよ、すごいな…。


圭介の、俯いても綺麗な顔を見つめて感心した。


「あすかっていくつ?」


パスタをフォークに巻きつけながら、優が聞いてきた。


「中3。先月15になったばっかだよ」


私もフォークを持ち、くるくると回す。


「は!?中3!?美香とタメ!?見えねー」


コーラの入ったグラスにささるストローに口をつけようとした圭介が、驚いて顔を上げた。


「え…それはどっちの意味で?」


「上にしか見えねーって。俺らとタメくらいかと思ったし」


上にしか見えない?俺らとタメ?…ってことは、圭介と優は私より年上なんだ。


「2人はいくつなの?」


アイスミルクティーの入ったグラスを手に取り、ストローを回し聞いた。


「2つ上だよ。今年17」


17歳…。姉ちゃんとタメか。姉ちゃんの友達と比べると、大分大人っぽいなぁ。
< 9 / 441 >

この作品をシェア

pagetop