依存~愛しいキミの手~
床に散らばるたくさんの物。


それを足でどかし、ソファーに腰掛けた。


タバコに火をつけながら、足を伸ばしてテレビ横のCDコンポの電源をつけた。


美香と優それぞれにお礼のメールを送信した。


あとは圭介…。


携帯の画面とにらめっこしながら、内容を考えるが、頭に広がるのはエレベーターでのことだけ。


私は机に伏せながら香水を見つめた。


…あのエレベーターのことは、私の思い過ごしなのかな…?


もし、思い過ごしじゃないとしても…きっと春子さんにはかなわない。


圭介の中では一生薄れない人。


時間をかけたら、いつか私の存在が圭介の中で大きくなってくれるのかな?


私が本気で好きになって頑張ったら、春子さんへの不安な気持ち乗り越えられるのかな?


私、本気で圭介を好きになっていいのかな…?


傷つくのが怖いから、好きにならないようにしてるのは、ズルイのかな…?


圭介、教えてよ。


そう思いながら香水を人差し指で小突いた。
< 110 / 441 >

この作品をシェア

pagetop