依存~愛しいキミの手~
みんなにプリクラをあげた時には言えなかった、圭介がホストだということも茜に話した。


「へぇそうだったんだ…。プリクラだと確かにかっこよかったもんね。ホストって何か納得だわ」


口に手を当て呟く茜。


「圭介くんの店にね、りょうって人がいるんだけど、その人が私の担当なんだ。…担当って言うか彼氏なんだけど…色かもしれない(笑)」


知美が、さらさら艶々の黒い髪を触りながら笑った。


りょう…?


「あ!りょうちゃん!?この前話したよ!圭介の先輩だよね?」


私たちは時間がたつのも忘れ色んな話をして盛り上がった。


「何て言うか、世間は狭いんだね(笑)」


茜が笑って言ったと思ったら、すぐにピッチを見た。

「ぷっ…見て(笑)」


笑いながらピッチを見せてきた。画面を見ると


『もう昼休みだよ?どこ行ってるの?
つーか、さっきのあすかちょームカツク!!私もうあすかと友達やめる!!』


私も知美も予想通りの展開に笑い出した。


「もう昼休みか。そう言われるとお腹減ったね。今からハマでも行こうか?」


茜が立ち上がりながら言った。


「あ、いいね。マック食べたいな」


知美がタバコを消しながら言った。


「え?知美サボって平気なの?」


私も立ち上がり聞いた。


「うん。今までさ、誰にも本性見せずに周りが作っていった私のイメージ通りにしてたけど、疲れてたんだよね。あすかちゃんと茜ちゃんと話したらスッキリしちゃってさ(笑)」


周りに作られてたイメージ…?


学校での知美は本当の知美じゃないってことか…。


理解し難いけど、今目の前にいるのが本物の知美なんだろうな。


教室に戻るとお弁当食べてるゆきが睨みつけてきた。


「ゆき、私あすかと行くね、バイバーイ」


茜がゆきに言った。


その言葉は、「サボるね」とも「私もあんたと付き合いやめるね」ともとれた。
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