依存~愛しいキミの手~
部屋に戻り、テレビを見ながらご飯を食べた。


一服してまったりとテレビを見ていたらウトウトしてくる。


「眠いならベッドで寝ろよ?体痛くなんぞ」


半分寝かかっていて声は聞こえるけど、体が動かない。


「…ったくもー」


体がふわっと浮き柔らかい所におろされた。


そのまま私は眠りについた。


ピピピピ…ピピピピ…ピピピピ…


うー…ん…、うるさい…目覚まし?


目をつぶりながら頭の上を手で探る。


…?…ない…?


「ぶっ、はははっ」


笑い声が聞こえ目を開けると、圭介の部屋にいたことを思い出した。


圭介はソファーに横になって笑っている。


頭の下の枕が視界に入り、ベッドにいることに気づいた。


「もしかして圭介ソファーで寝てたの!?ごめんね!」


慌てて体を起こしながら謝る。


「いや、大丈夫だから気にすんなよ」


優しい顔で言ってくれた。


窓の外が薄暗くなっているのに気づき、時計を見ると18時半を示している。


私はラグの上に座り、持って来た荷物の中から鏡とポーチを取り出した。


化粧をしていると、ソファーに寝転びながら圭介がじっと見てくる。


「…ちょっと、視線が気になって化粧に集中できないんだけど…」


私が軽く睨んで言った。


「悪ぃ、化粧ってどうやってやって変わってくのか気になってさ(笑)じゃあ俺は雑誌でも見てる」


そう言ってガラステーブルにあるファッション雑誌に手を伸ばし、寝転びながら読み始めた。


でもやっぱり気になるのか、たまに視線を感じ顔を上げると圭介と目が合う。


それが面白くて、笑いながら化粧をした。
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