依存~愛しいキミの手~
圭介とソファーに座り缶ビールの縁をコツンと合わせた。


とりあえず一口飲み、タバコに火をつける。


圭介の顔がまともに見れない…。


「お前どうせ、ベッドとソファーどっちで待ってればいいんだろ!?…とか考えてたんだろ(笑)」


圭介が私の考えを見透かしていたのに驚き、圭介の顔を見た。


「やっぱな(笑)」


無邪気な顔をして笑う圭介。


私の髪をまとめてるクリップを外したと思ったら、髪をぐしゃぐしゃにした。


「な…!?」


私が髪を手でとかしながら顔を上げる。


「笑わないんだから、1人で考え込まないで素直に言葉にしろよ」


そう言ってぐしゃぐしゃになった私の髪を一緒に直してくれた。


「…だって分からないんだもん。…どんな格好で出てけばいいのかとか、化粧は落とすのかとか…。美香に聞いとけばよかったって後悔した」


缶ビールの縁に口をつけ言った。


「ははっ」


「ほら、笑った!!」


口を尖らせながらビールを1口飲み込む。


「かわいいなと思ったんだよ」


そう優しい目で笑いながら、私の持っていた缶ビールをテーブルに置いた。


そして、ついばむようなキスをする。


「緊張してんのはお前だけじゃねーよ」


私の手を掴み、圭介の心臓に当てさせた。


「…本当だ…」


私と同じくらい、圭介の鼓動も早かった…。
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