依存~愛しいキミの手~
春休みのとある日、蘭と藤沢で遊んでいた。


いつもの通りナンパ待ちをしていると、4人組みの男が声をかけてきた。


カラオケに行き、一気などして盛り上がっていたが、圭介のよく歌っていた曲が流れ始めて胸が締め付けられていった。


「酔ったから風当たってくる」


そう言ってカラオケ屋の前でタバコを吸う。


いまだに思い出す自分…。


一体いつになったら忘れられるんだろう…。


久しぶりに圭介を思い出して涙が込み上げきた。


今の自分を見たら、圭介はどう思う?


軽蔑するかな?


それとも、俺のせいだって自分を責めるのかな…。


会いたい…。


そう今でも思う自分が本当に嫌だ。


どれだけ男と遊べば、思い出すことがなくなるのかな…。


「風邪ひくよ?」


!?


突然背後から声が聞こえ、肩を揺らし驚いた。


目に溜まった涙を慌てて腕で拭っていると、後ろから抱きしめられた。


「…俺ん家すぐそこだから一緒に行かない?」


圭介と同じブルガリの匂い…。


匂いに誘われるように私は腕にしがみついた。
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