依存~愛しいキミの手~
新学期が始まって、龍ちゃんから連絡が来ることはなくなった。


はぁー…。


机に頬をつき、何度も携帯の問合わせボタンを押すが、ため息しか出ない。


「どーした?」


蘭が私の背中を叩いた。


「龍ちゃんからついに切られたっぽい…」


重い体をゆっくりと起こす。


「まじ!?…ぱーっと遊びに行こうよ!!」


「ごめん、まじそんな気分じゃない。本気で好きだったんだもん…」


そう呟いて、私は学校を早退した。


学校の最寄り駅の反対側の出口。


死角になる歩道橋があるので、そこでタバコを吸った。


何がいけなかったのかな…。


嫌われないように、頑張ってたつもりだったのに…。


あんなに好きだったのにな…。


そう思った時、ふと圭介が頭をよぎる。


好き…?


本気で龍ちゃんのこと、好きだった…?


圭介の時みたいに、全身で好きだった…?


何か違う…。



両手で頬を叩いた。


ダメだ、考えたらいけない。圭介のことは思い出したって意味がない。


私はタバコを歩道橋の下を流れる川に投げ捨て、携帯を開いた。


結局寂しさを埋めるのは、男しかいなかった。
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