依存～愛しいキミの手～

反省

｢私、忘れられない人がいるんです…。今までは忘れられたと思い込んでたけど、結局思い出さないように一輝や他の人に依存していただけなんだなって、今ママの言葉聞いて本音が見えました…」


｢忘れられない人…?」


ママもタバコにマッチで火をつけ、手で仰ぎ火を消した。マッチの香りがふわっと広がる。


私はママに圭介の話をした。


話し終わった時には私はボロボロ泣いていた。


そして、圭介に会いたい気持ちが体中に広がっていた…。


｢…お腹空かない?場所変えてゆっくり話ししようか。」


ママが優しく笑って言う。


私は涙を拭いながら頷いた。


お店から少し歩いた所にある、一見さんお断りの料亭に着く。


個室を用意してもらい、料理を食べていると、ママが箸を置き口を開いた。


｢本音に向き合うって難しいわよね」


私がママを見るとにこっと笑いかける。


｢あすかは今本音に向き合って、どうしたいと思う?」


どう…?


｢会いたい…圭介に会いたい…。でも、会わす顔がない…。私、本当に最低なことしたから…」


私はまた涙が溢れる。
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