依存~愛しいキミの手~

開封

赤い柵に手をつき、タバコに火をつけた。


「まじウケる(笑)」


沙織が白い息を吐きながら笑う。


「ね!まさかないなんて予想外(笑)」


冷たい風が髪をなびかせる。そんな寒さをしのぐように、沙織は深くニット帽をかぶり直した。


「すっきりした」


満面の笑みで言う沙織。


私も同じ気持ちだった。


南京錠がなくなったことによって、過去は過去、今は先に進んでいるんだと改めて実感した。


圭介との過去は思い出なんだ。


手をつないでいたあの日は、もういい思い出…。


そうやっと受け入れることができた。


私は家に着いて、ベッドの奥からダンボール箱を取り出した。


埃のかぶったダンボール…。


テーブルの上に置きタバコを吸いながら見つめた。


ため息まじりに煙を吐き出し、タバコを灰皿に置いた。


ダンボールの埃を手で払う。


埃が舞ってテーブルと床を汚す。


早くなる鼓動を抑えるように深呼吸を2回した。


ダンボールを開けると、久しぶりに見る圭介との思い出が入っていた。
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