依存~愛しいキミの手~
そして、引越しも落ち着き、季節が冬に変わる。


私の出産がやってきた。


私は実家に里帰りして産むことになっていたので、陣痛が来てすぐに圭介に連絡をした。


忙しくてお店を抜けられない状態だったのに、優のおかげで抜けてこれた。


陣痛が進みのたうち回ってる時に圭介が来てくれて、安心感と痛みで涙がボロボロこぼれ、顔がぐちゃぐちゃだったと出産後圭介が笑っていた。


双子でも普通分娩できると言われ、普通分娩を選んだけど、陣痛が進むにつれて眠気と痛みが交互にきて辛すぎて帝王切開や無痛分娩にしなかったことを何度も後悔した。


帝王切開は産後がものすごく辛いと後から友達に聞き、普通分娩で良かったと思ったけど…。


ゆきが陣痛中に痛みで吐いたと言っていたのが、ものすごい分かった。


腰をさする圭介に八つ当たりをし、お母さんや圭介のお母さんにも暴言を吐いていたらしいが、全く記憶にない…。


そんな感じで陣痛に半日ちょい苦しめられて、圭介立ち会いのもと双子の男の子を無事出産した。


圭介は泣きながら


「ありがとう、ありがとう…」


と私の手を握っていたが、私は感動ではなくやっと痛みから解放された…という思いが強かった。
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