線香花火~ひと夏の小さな恋~
選ぼうとしていると、誰かから声をかけられた。

びっくりして振り返ると、一年生の部活の後輩、藤田桃子ちゃんがにっこり笑っている。

桃子ちゃんは、小柄で、目がくりっとしていて、なんとも愛らしい。

ペットにしたくなっちゃうタイプだ。

「もっ、桃子ちゃん!どーしたのー?」

「あたし実は、杏李先輩に相談したい事があるんです。」

「相談?いいよ。でも、私なんかでいいの?」

「もちろん!杏李先輩じゃないと、相談する意味がないんです。」

そんな事言われちゃうと、ちょっと照れる。
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