線香花火~ひと夏の小さな恋~
「おーい、杏李!買わねーのー?」

レジで並ぶ優馬が大きく手を振った。

「あ、ちょっと待ってて!今行くから!」

「あの、今日の放課後、マックで待ってます。」

桃子ちゃんはにこっと可愛らしく笑った。

その笑顔に、女の私でも惚れそうになった。

「おい、遅いじゃん。まだ迷ってんの?って、あれ?君・・・」

買い物が終わった優馬は、隣にいる桃子ちゃんを見て、戸惑った。

「同じ部活の後輩。可愛いでしょ?」

「はじめまして!あたし、1-Bの藤田桃子っていいます!よろしくお願いします!」

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