線香花火~ひと夏の小さな恋~

遊園地

それから何日か経って、私、優馬、ケンちゃん、桃子ちゃんとで、遊園地に行った。

桃子ちゃんは、終始優馬の隣をキープしている。

優馬も、明るくて可愛い桃子ちゃんにすっかり心を許しているので、楽しそうに笑っている。

いつもの、見ると元気になれるはずの優馬の笑顔が、今はちょっと苦しかった。

一方のケンちゃんは、愛する奈々子がいないので、ちょっとつまらなそう。

「ねーねー、本郷先輩っ!次は、お化け屋敷入りましょうよ~♪」

絶好調の桃子ちゃんが優馬の腕を掴んで誘ったのは、いかにも怖そうなお化け屋敷だった。
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