線香花火~ひと夏の小さな恋~
優馬は、私の手をがっしりつかんで、すごいスピードで走り出した。

「ちょ、ちょっと待ってよ!速いっ!」

「平気だろ!?ほら、ちゃんと走ってる!」

足も速い優馬についていくのは、正直せいいっぱいだった。

こんな当たり前な日々が、何よりも幸せ。

予鈴が鳴り、あわただしく教室に入る。

優馬のおかげで、危うく間に合った。
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