線香花火~ひと夏の小さな恋~
二人で無言で走っている。

もう遅刻決定だ。

今日は、終業式なので登校が早いのだ。

「もっと早く走れよー!」

優馬が隣でぶーぶー文句をたれている。

「もう、うっさいなぁ!私、優馬みたいに運動神経抜群じゃないのっ!行きたいなら先行きなよっ!」

私は、軽くかんしゃくを起こした。

「もー、いいよ!しょうがないなっ!」

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