∫hiRo 〜雨の向こうで僕が思うこと〜
「えーっと、何をあげたらいいのかねぇ? ちょっと待ってておくれよ」
おばあちゃんはシロと僕に、ご飯の用意をしてくれた。
それはとても温かで、おいしいご飯だった。
軒下で僕がご飯を食べている間、オバアチャンは僕のために、フカフカの布を入れた箱も用意してくれた。
ご飯を食べ終えた僕は、その箱に入った。
その柔らかさと温かさに体を預けると、何だかとても懐かしい安心感が思い出された。
少し意外だった。
間もなくオバアチャンが呼んだセンセイがやって来て、シロの体を診てくれた。
「肺炎などではなさそうだね。だけど、あと2〜3日、熱が完全に下がるまではちゃんと寝てるようにね」
僕のところからも、シロが“注射”を打たれているのが見えた。